【保険診療のリアル】足関節捻挫の後遺症
足首のねんざを経験した方は結構いらっしゃいます。
さて、今回は足首のねんざから後遺症になり、足関節症に悪化する例について保険診療の落とし穴について書きます。
足首をひねって、パンパンに腫れると「骨折したか?」と思って、とりあえず病院へ行きますね。
レントゲンで確認します。
この時点で骨折していれば、それに応じた処置をされます。つまり、固定です。固定具が何になるのかは分かりませんが、とりあえず固定されます。
しばらくは不自由です。
さて、レントゲンで骨に異常がなければ、一応足関節を動かしたりして、動揺性、不安定性を確認します。
問題が特になければ、シップを処方されます。寝られないような痛みがあれば、痛み止めの飲み薬も処方される時があります。
さて、この処方、功を奏すかどうかは、損傷度によります。
緩んだ靭帯のせいでズレて動く足関節。
足首って、体重がどんっ!と載る関節です。だから、通常は頑丈な靭帯で守られていますが、ズレて動くようになると違和感や痛みが残ります。
もしくは、可動域制限や片脚になった時の不安定性が残存します。
その状態でずっと生活をしていると、もちろん骨に影響を及ぼしてきます。
しかも、ゆっくりと着実に。
すると、軟部組織から骨へと破壊は進みます。いつまでも腫れっぱなしになります。
こうなるのには、原因があるのです。
それは、最初のねんざの時に「適切な指導、治療、処置」がなされていなかったからです。
すると、病院などのせいにしたくなりのは分かりますが、病院にも言い分があります。
「あなたは健康保険を使った診療を望みましたよね?」
というか、当たり前に健康保険は使えて当然だという考えで病院へ行きますよね。もちろん、健康保険は適用されます。何も悪くはありません。
保険適用の有無が問題ではないのです。
保険で行える治療の内容が「不十分」だからです。
健康保険はなんでもかんでも手厚く治療ができる訳ではありません。アメリカなどは公的健康保険はなく、民間の保険会社に加入することになります。民間なので会社としても利益を出す必要性があり、そのため何でも保険が効くわけではありません。
もっと言えば、安い保険料しか払っていないと受けられる治療もかなり制限されます。また、高い保険料を支払えば、行き届いた医療を受けられるわけです。
日本は一律なので、受けられる治療内容も決まっています。
ですから、「足首のねんざ」にはそれほど手厚い治療は用意されてはいません。
痛みが取れたらOK!くらいの軽い感じです。
そこに落とし穴があるのです。もちろん、患者側が軽く見ていることにも問題があります。
当院にも足首の捻挫をしてから、何年も足首が痛いままだという方がいらっしゃいます。病院へ行ってちゃんと処置をしたと思い込んでいたらしいのですが、一向に治らないで困っていると。
このように、日本の公的健康保険がカバーするのはほとんどすべての疾患です。
ゆえに、一つ一つはスカスカの内容になる傾向にあるのです。
もちろん、足首が痛すぎて訴え続けたら「手術」はしてくれるかもしれません。もちろん、保険も使えます。
ただ、ちゃんと治るかどうかの保証はありません。
こういった医療事情があることをもっと国民のみなさんが知るべきで、ちゃんと知った上で、知識をつけた上で、ご自身のお身体を守ることが必要です。
もし、長く続く足首の症状にお困りでしたら、一度ご相談ください。
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