【産後ケア】ぽっこりお腹(腹直筋離開)と骨盤底(膣まわり)はどう関係している? ~世界の論文探索~
産後、本当にケアしないといけないの?
そうお思いのママさんは多くいらっしゃいます。それもそうです。医科のほうで、そういった情報を出さない、あまり勧めない、やってはいても理学療法士などへの現場任せ、、、。
このような放任主義?的なやり方では、「産後ケアは何となくやったほうがいいんだろうけど、お金を払ってまでねぇ~」となるのも無理ありません。
ただし、、、
世界を見渡すと、日本の常識は非常識となりつつあることが分かります。
世界的に女性や産後女性のマイナートラブルを研究する研究者がどんどん増えてきています。その中で、少しずつ分かってきました。
今回は "Diastasis recti abdominis and pelvic floor dysfunction in peri- and postmenopausal women: a cross-sectional study" という論文をご紹介します。全文は著作権の問題上、概要を下のリンクで示しておきます。
概要は以下のリンクで!
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33283590/
このような研究はたいてい横断研究なので、バイアスや因果関係の信頼性に劣るというデメリットはありますが、今後の研究に一石を投じているという意味では、貴重な研究です。
※英語の下にある日本語はいわゆる「直訳」ではありませんので、悪しからず。
Introduction: Diastasis recti abdominis (DRA) and pelvic floor dysfunction (PFD) occurs commonly with aging; however, little is known about what leads to these changes.
腹直筋離開や骨盤底障害はよくあることだが、ほとんど原因が知られていないのが現状です。
Objective: We aimed to investigate and compare the presence or absence of DRA and PFD in peri- and postmenopausal women.
更年期前後の女性で、腹直筋離開や骨盤底障害のあるなしを比較。
Methods: This cross-sectional study involved 150 participants who answered questions on their sociodemographic and clinical profiles related to urinary and fecal incontinence and pelvic organ prolapse. Diastasis recti abdominis was diagnosed with a digital caliper.
女性150人に尿失禁、便失禁、骨盤臓器脱などの障害をアンケートし、腹直筋離開の幅を測定した。
Results: Supra-umbilical diastasis occurred in 37.3% of cases, and 78.6% of participants with DRA had PFD. No significant differences existed between participants with and without DRA in terms of background and clinical variables. However, participants with DRA were 2.6 times more likely to have PFD than participants without DRA. Furthermore, the presence of DRA was significantly shown to be a risk factor for PFD on binary logistic regression analyses (p = .01, OR = 3.2).
臍上の離開は37.3%で確認、腹直筋離開がある被験者のうち78.6%で骨盤底障害が見られた。重要なのは、腹直筋が離開していない女性よりも、腹直筋離開がある女性のほうが2.6倍も骨盤底障害があるということである。さらに、回帰分析では腹直筋離開があると骨盤底障害のリスクになるということが示されている。
Conclusions: This cross-sectional study suggests that DRA is a predictive factor of PFD in women aged over 50 years.
横断研究ではあるが、50歳を超える女性では腹直筋離開があると骨盤底障害が起こるという示唆となることを示している。
ということで、腹直筋離開があると、尿もれや臓器下垂が起こりやすいですよ、ということをアンケートや計測で示してくれています。
このような研究が増えてくると、女性の未来が明るくなりそうでいいですね。
では、この腹直筋離開をどうすればいいの?という疑問が浮かびますね。
現在では、よく〇〇トレという言葉で、EMSでお腹の筋肉をぐいぐい動かすトレーニングがあちこちで行われていますね。
本当にそれで腹直筋離開が良くなりますか?
もっと大切なことがあるんですよ。
それは当院にご相談ください。
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