【頭痛】片頭痛が脳の白質を損傷させる

片頭痛が脳の白質を損傷する

 神戸市北区で、キネマティックチェーン、機能神経学、機能性医学、分子栄養学の考え方を用いて、運動器はもちろん、メンタルの問題、不定愁訴など、薬を飲まずに健康に導く治療院です。

 片頭痛はなかなか厄介な症状です。

 ただ、頭が痛いだけではありません。

 その裏で色んなことが起こっています。その一つが「脳の白質の損傷」です。

 当院の総合療法で、その複雑な痛みの連鎖を断ち切り、新たな日常へ。

【執筆者】水根健一:柔道整復師、鍼灸師、米国 Kharrazian Institute CFMC(Certified Functional Medicine Clinician)


片頭痛が脳の白質を損傷させるメカニズム

 片頭痛は、単なるつらい頭痛ではなく、脳に構造的な変化を引き起こす可能性があることが近年の研究で示唆されています。

 特に注目されているのが、脳の白質(はくしつ)への影響です。

白質

 白質は、脳の異なる領域間や脳と体の他の部分との間で神経信号を伝達する神経線維の束で構成されており、情報のやり取りにおいて非常に重要な役割を担っています。

 では、片頭痛がどのようにしてこの白質に損傷を与える可能性があるのでしょうか?

 そのメカニズムは複雑ですが、主に以下の要因が関連していると考えられています。


虚血性変化と微小梗塞

 片頭痛発作中には、脳の血管が収縮と拡張を繰り返す血管性変化が生じることが知られています。

 特に前兆を伴う片頭痛では、一時的な脳血流の減少(虚血)が起こり、その後、血流が再開する際に血管が過度に拡張すると考えられています。

 この虚血と再灌流のプロセスが繰り返されることで、脳の微小血管にダメージが生じ、微小な血栓(血の塊)が形成されたり、一時的な血流不足によって小さな脳組織が壊死したりする「微小梗塞(こうそく)」が起こる可能性があります。

血栓

 白質は細い血管が豊富に分布しているため、このような虚血性変化の影響を受けやすいと考えられています。

 脳画像診断(MRIなど)で観察される白質病変は、これらの微小梗塞の痕跡である可能性が指摘されています。

脳梗塞

【参考論文】
・Migraine is associated with an increased risk of deep white matter lesions, subclinical posterior circulation infarcts and brain iron accumulation: The population-based MRI CAMERA-study

・White Matter Lesions Identified by Magnetic Resonance in Women with Migraine: A Volumetric Analysis and Clinical Correlations

・Migraine and brain changes


炎症反応と酸化ストレス

 片頭痛の発作時には、脳内で炎症性サイトカインなどの物質が放出され、局所的な炎症反応が引き起こされることがあります。

 また、血管の収縮と拡張の繰り返しは、活性酸素種の産生を増加させ、酸化ストレスを引き起こします。

 これらの炎症反応や酸化ストレスは、神経細胞やグリア細胞(神経細胞をサポートする細胞)にダメージを与え、白質の神経線維を覆うミエリン鞘(しょう)を損傷する可能性があります。

ミエリン鞘の損傷

 ミエリン鞘は神経信号の伝達速度を速める役割があるため、その損傷は脳機能に影響を及ぼす可能性があります。

【参考論文】
・Modulating oxidative stress and neurogenic inflammation: the role of topiramate in migraine treatment

・Risk factors of migraine-related brain white matter hyperintensities: an investigation of 186 patients

・Decreased antioxidant status in migraine patients with brain white matter hyperintensities

・Migraine Triggers and Oxidative Stress: A Narrative Review and Synthesis


血液脳関門の機能障害

 脳は、血液脳関門(BBB)という特殊なバリアによって、血液中の有害物質から保護されています。

血液脳関門

 しかし、片頭痛の発作中には、この血液脳関門の透過性が一時的に亢進(こうしん)し、普段は脳内に入り込まないはずの物質が脳組織に侵入してしまう可能性があります。

 これにより、脳内で炎症反応が促進されたり、神経細胞に直接的なダメージが加わったりすることで、白質が損傷するリスクが高まると考えられています。

【参考論文】
・Role of Neuroinflammation and Blood-Brain Barrier Permutability on Migraine

・Consensus statement for the management of incidentally found brain white matter hyperintensities in general medical practice


遺伝的要因やその他の併存疾患

 片頭痛の患者さんの中には、もともと脳血管の脆弱性や炎症に対する感受性が高いなど、遺伝的な要因が白質損傷のリスクを高めているケースも考えられます。

 また、高血圧や高脂血症、糖尿病といった血管に影響を及ぼす生活習慣病を併発している場合も、白質損傷のリスクがさらに高まる可能性があります。


薬だけではない! 本当に良くする取り組みを!

 これらのメカニズムは単独で作用するだけでなく、複合的に関与し合うことで、片頭痛患者さんの脳の白質に損傷を引き起こすと考えられています。

 これらの白質病変が、記憶力や認知機能にどのような影響を与えるかについてはさらなる研究が必要ですが、片頭痛の適切な管理と治療が、脳の健康維持にとっても重要であることが示唆されています。

もし片頭痛でお悩みでしたら、薬だけに頼るのではなく当院の総合療法であなたの片頭痛を改善してみませんか?



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