【研究論文】薬で痛みをごまかすことの危険性 ~その場をしのいで、のちに後悔~

「膝痛:痛み止めで“ごまかす”ことの危険性」
あなたの“治る力”を奪う習慣になっていませんか?
「膝が痛いから、痛み止めを飲んでいる」
「とりあえずシップで様子を見ている」
こうした方を、私たちは毎日のように見ています。
確かに、痛み止め(NSAIDs)は即効性があります。
飲めばラクになりますし、炎症反応も一時的に落ち着きます。
しかし――問題はその“使い続けること”です。
薬で痛みを抑えるのは、“火災報知器の音を止めるようなもの”。
火事(=炎症)はそのままなのに、音(=痛み)だけ消してしまう。
これでは、根本的な修復が遅れるどころか、体の再生力そのものを奪ってしまうのです。
NSAIDsが腸を壊すメカニズム
痛み止めの代表格・NSAIDs(非ステロイド系抗炎症薬)は、COX酵素をブロックして炎症物質を抑える薬です。
ところがこの仕組みには“裏の顔”があります。
COXは胃腸や腎臓、血管を守るためにも働いており、抑えすぎると腸粘膜が傷つくのです。
2018年のレビュー(Lanas & Carrera-Lasfuentes, Gastroenterology Review)では、NSAIDsは胃潰瘍だけでなく小腸の透過性(リーキーガット)を高めると報告されています。
腸が“漏れる”と、炎症物質(リポ多糖・サイトカイン)が全身に流れ、関節・筋肉・脳にまで影響します。
結果、膝の炎症がさらに悪化する。
つまり、「膝の痛みを抑えるつもりが、膝を悪化させる」という皮肉な現象が起きているのです。
修復ホルモンや再生反応まで落ちる
Zhangら(Arthritis Research & Therapy, 2021)は、NSAIDsを長期使用している膝OA患者の関節液を分析し、修復に関わるサイトカイン(TGF-βなど)が低下していたと報告しています。
簡単に言えば、「炎症は消えたけれど、再生のスイッチも止まってしまう」。
痛みが和らいでも、軟骨の修復が進まないのはこのためです。
さらに、NSAIDsの連用は腎機能・肝機能・心血管リスクにも関与することがわかっています。
「ずっと飲んでるけど大丈夫」と思っている方ほど、知らず知らずに代謝系が弱っていく傾向があります。
これは整形外科でも内科でも、見落とされがちな領域です。
当院の考え:「痛みを止める」ではなく「痛みを生まない体に戻す」
もみの木鍼灸整骨院(神戸市北区・三田市・西宮市)では、薬で痛みを“消す”のではなく、なぜその痛みが出ているのかを徹底的に掘り下げます。
膝が痛い原因の多くは、「膝」そのものにはありません。
股関節や足首の動きの悪さ、骨盤のねじれ、腸内環境の炎症、ホルモンバランスの乱れ――
これらが重なり、膝に負担を集中させているのです。
当院の治療では、
- 🧠 機能性医学(Functional Medicine):炎症・腸・代謝の根本改善
- 🩸 鍼灸:神経反射を通じた血流・自律神経調整
- 🦵 整体:関節の軸と運動連鎖の再教育
この3本柱で、体を“治せるモード”に戻します。
炎症を鎮める「栄養」と「腸の力」
最新の研究では、食事と腸の健康が膝痛改善に直結することも分かっています。
🔹 地中海食パターン(抗炎症食)
- 魚・オリーブ油・豆・野菜・果物を中心にした食事で、痛みスコアが有意に改善(Sköldstam et al., Ann Rheum Dis, 2003)。
- 油の質・糖質の摂り方を見直すだけでも、体の炎症は確実に下がります。
🔹 乳酸菌Lactobacillus casei Shirota
- 腸内環境を整えることで、炎症マーカーと膝痛が改善(Lei et al., Nutrients, 2017)。
- 腸が整うと、関節も穏やかになる――これはもはや常識になりつつあります。
🔹 ターメリック(クルクミン)
- 抗炎症サプリとして複数のRCTで効果が確認。
- 2014年の臨床試験(Kuptniratsaikul et al., Clin Interv Aging)では、イブプロフェンと同等の鎮痛効果があり、副作用が少ないことが示されました。
- 「痛みを抑える」から「炎症を鎮める」へ――ここに、治るための転換点があります。
まとめ:薬に頼らず、自分の力で治る方向へ
痛み止めは“応急処置”です。
必要なときには使っていい。
でも、それが“常用”になると、治癒を止めるスイッチになってしまいます。
私たちが目指しているのは、
- 「薬がなくても動ける身体」
- 「再発しない体質」
- 「自分で治せる力を取り戻す」
という3つのゴールです。
膝痛は、老化ではなく“炎症のサイン”。
そして薬で抑えるものではなく、“整えることで終わらせるもの”です。
あなたの身体は、まだ治る力を持っています。その力を、一緒に取り戻していきましょう。
📍 もみの木鍼灸整骨院(神戸市北区・三田市・西宮市)
機能性医学と鍼灸・整体を融合した原因追究型アプローチ。
「手術しかない」と言われた方の“回復”を多く見届けています。
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