【股関節の新常識】股関節の不調は“炎症体質”が作っている──形も動きも合っているのに、なぜ痛みが引かないのか

股関節の不調は“炎症体質”が作っている──形も動きも合っているのに、なぜ痛みが引かないのか
股関節の不調というと、
・骨の形
・臼蓋のかぶり
・前捻角・後捻角
・スクワットやストレッチの相性
ここまでの話で「構造と動きのミスマッチ」がいかに重要かは伝えてきました。
ですが、現場ではこういう人が必ずいます。
- 形は問題なさそう
- 動かし方も修正している
- 運動量も適切
- それでも、なぜか痛みがぶり返す
このときに見落とされがちなのが、体全体の“炎症の起こりやすさ”です。
炎症は「ぶつけた」「使いすぎた」だけで起こるわけではない
多くの人は「炎症=ケガ」と思っています。
しかしこれは、かなり古いイメージです。
近年の研究では、慢性的な低度炎症(low-grade inflammation)という概念が、さまざまな慢性痛と関係していることが分かってきました。
この炎症は、
- 赤く腫れる
- 熱をもつ
- 動かせない
といった分かりやすい形では出ません。
「なんとなく痛い」「違和感が抜けない」
こういう形で、じわじわ現れます。
炎症体質を作る“日常要因”
では、炎症体質は何で作られるのか。
研究で一貫して指摘されているのは、
- 睡眠不足・睡眠の質の低下
- 慢性的なストレス
- 血糖の乱高下
- 栄養バランスの偏り
- 回復力の低下
これらです。
つまり、股関節から遠く見える生活習慣が、股関節痛の下地を作っているということです。
「左右同じ形なのに、なぜ片側だけ痛い?」
これは臨床で本当によくある質問です。
画像を見ると、左右ほぼ同じ形。
FAIの所見も左右にある。
でも、痛いのは右だけ。左は平気。
この現象を、骨の形だけで説明するのは不可能です。
ここで初めて、
- どちら側に体重をかけやすいか
- 仕事中の姿勢
- 疲労が溜まっている時期
- 睡眠が乱れていないか
といった「体の状態」が浮上してきます。
画像を見ると、ひどいときには「悪くないほうが痛い」ということも多々あるのです。
到底、骨の形では説明できません。
炎症が強いと、関節は“過敏”になる
炎症体質の状態では、関節や筋肉は、刺激に対して過敏になります。
- 昔は平気だった動きで違和感が出る
- 運動後の回復が遅い
- 休んでもスッキリしない
これは「気のせい」ではありません。
研究でも慢性炎症状態では痛覚過敏が起こりやすいことが示されています。
つまり、構造的には問題ない刺激でも、炎症体質だと“痛みとして認識されやすい”。
ここでやりがちな大失敗
この状態の人に、よく行われるのが、
- もっと鍛えましょう
- もっと動かしましょう
- 痛くても慣れです
という指導。
はっきり言います。これは逆効果になることが多い。
炎症が強い状態で負荷を上げると、体は「回復」ではなく「防御」に入ります。
結果、
- 痛みが長引く
- 波が大きくなる
- 不安が強くなる
悪循環です。
論文が示す「局所治療だけでは限界がある」理由
慢性の股関節痛に関するレビューでは、
- 局所治療のみでは改善が不十分なケースがある
- 全身状態への介入が重要になる
と指摘されています。
これは、痛みが“関節単体の問題ではなくなっている”ことを意味します。
当院が「体の状態」を必ず聞く理由
当院では、股関節の評価と同時に、
- 最近よく眠れているか
- 疲れが抜けているか
- 食事量・食事内容
- 体調の波
これらを必ず確認します。
なぜなら、炎症体質を放置したまま、いくら構造や動きを整えても、改善は頭打ちになるからです。
炎症体質は「根性」でどうにかなるものではない
ここは誤解しないでください。
- サボっているから
- 運動不足だから
- 意識が低いから
炎症体質になるわけではありません。
むしろ、
- 真面目
- 頑張りすぎる
- 無理を重ねる
こういう人ほど、知らないうちに炎症を溜め込みます。
股関節を本当に楽にしたいなら、見るべき順番がある
順番を間違えると、どんな良い治療も空回りします。
1️⃣ 炎症が強すぎないか
2️⃣ 動かし方は合っているか
3️⃣ 構造的な特徴は何か
この順番です。
炎症が強い状態で、構造や運動を攻めると失敗します。
まとめ:股関節痛は“関節の問題”で終わらせるな
股関節の不調は、
- 骨
- 関節
- 筋肉
だけの問題ではありません。
体全体の状態が、股関節という弱点に表れている。それだけのことも多い。
形も
動きも
運動も
すべて合っているのに良くならないなら、見るべきは炎症体質です。
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