【赤ちゃんを触りまくろう!】第8回 やさしいマッサージは必要? 赤ちゃんに触れるときに大切なこと

08 優しいマッサージは必要?赤ちゃんに触れる時に大切なこと

第8回 やさしいマッサージは必要? 赤ちゃんに触れるときに大切なこと

赤ちゃんのために、ベビーマッサージをしたほうがいいのでしょうか。

産後のお母さんから、このような相談を受けることがあります。

SNSや育児情報を見ると、「赤ちゃんにはマッサージが大切」「毎日触れてあげましょう」「発達に良い」といった言葉を目にすることがあります。そう聞くと、まじめなお母さんほど、「ちゃんとやらなければ」「やっていない私は足りないのかな」と不安になるかもしれません。

でも、まずお伝えしたいのは、赤ちゃんへのやさしいふれあいは大切ですが、特別なマッサージを毎日完璧にしなければいけない、という話ではないということです。

新生児の赤ちゃんにとって、触れられることは大切です。抱っこ、授乳、ミルク、オムツ替え、沐浴、着替え、寝かしつけ。その一つひとつの中に、赤ちゃんの脳と心、身体感覚、自律神経に届く刺激はすでにたくさんあります。

ですから、ベビーマッサージは「しなければならない育児課題」ではありません。

赤ちゃんの反応を見ながら、無理のない範囲で、やさしく触れる。その延長線上にあるものとして考えるのがよいと思います。

神戸市北区や三田市周辺で産後ケアを受けられるお母さんからも、「マッサージをしたほうがいいですか」「赤ちゃんが触られるのを嫌がるのですが大丈夫ですか」「反り返るので、どう触ればいいか分かりません」という声があります。

今回は、赤ちゃんにやさしく触れることの意味と、ベビーマッサージを考えるときに大切な注意点を、機能性医学や発達の視点も交えながらお伝えします。


ベビーマッサージは、魔法の発達法ではありません

赤ちゃんへのマッサージについては、さまざまな研究があります。

ただ、ここは少し冷静に見ておく必要があります。

Cochraneのレビューでは、生後6か月未満の低リスクの乳児に対するマッサージについて、発達や健康にいくつか良い傾向が示された研究はあるものの、研究の質やばらつきの問題があり、一般的な乳児全体に対して強く推奨できるほどの根拠とは言いにくいとされています。

また、早産児や低出生体重児に対するマッサージでは、体重増加や入院期間などに関する報告がありますが、発達面の効果については根拠が弱いとされています。

つまり、「マッサージをすれば脳が発達する」「毎日やればよく眠る」「必ず便秘や夜泣きが改善する」という言い方は、医学的には慎重であるべきです。

赤ちゃんには個人差があります。

触れられると落ち着く赤ちゃんもいます。
少しの刺激で興奮しやすい赤ちゃんもいます。
お腹を触られるのが苦手な赤ちゃんもいます。
眠いときに触られると、かえって泣いてしまう赤ちゃんもいます。

だから、ベビーマッサージは「赤ちゃんに良いはずだから続けるもの」ではなく、「赤ちゃんが心地よく受け取れているかを見ながら行うもの」と考えることが大切です。


それでも、やさしく触れることには大切な意味があります

では、マッサージには意味がないのでしょうか。

そうではありません。

「治療法」として過剰に期待することは避けるべきですが、やさしく触れることそのものは、赤ちゃんにとって大切な経験になります。

赤ちゃんは、言葉で安心を理解しているわけではありません。肌のぬくもり、手の圧、声、表情、におい、抱かれる感覚を通して、「そばにいる」「守られている」「落ち着いてもいい」という情報を受け取ります。

養育者の愛情あるタッチに関する総説では、やさしい触れ合いが、乳児の体性感覚、自律神経、ストレス反応、親子のやり取りに関わる可能性があると整理されています。

これは、特別な技術だけの話ではありません。

お腹に手を当てる。
背中をやさしくなでる。
足を包むように触れる。
授乳のときに体を支える。
泣いたときに胸に抱く。
寝かしつけで背中に手を添える。

こうした日常の中のふれあいも、赤ちゃんにとっては大切な触覚入力です。

マッサージという名前をつけなくても、お母さんや家族のやさしい手は、赤ちゃんに安心を伝える大切な方法のひとつなのです。


赤ちゃんに触れるときは、まず「反応を見る」ことが大切です

赤ちゃんに触れるとき、一番大切なのは、手技の正確さではありません。

赤ちゃんの反応を見ることです。

気持ちよさそうにしているか。
呼吸が落ち着いているか。
表情がやわらかいか。
手足の力が少し抜けているか。
眠そうにしているか。
逆に、顔を赤くしていないか。
体を反らせていないか。
泣き方が強くなっていないか。
手足を突っ張っていないか。
呼吸が乱れていないか。

赤ちゃんは言葉で「ちょうどいい」「もうやめて」と言うことができません。その代わり、体の反応で教えてくれます。

大人にとっては軽い刺激でも、新生児の赤ちゃんにとっては強く感じることがあります。特に眠いとき、お腹が空いているとき、授乳直後でお腹が張っているとき、体調がすぐれないときは、触れられること自体が負担になることもあります。

赤ちゃんに触れるときは、「これをやる」と決めて進めるより、「今、この子は受け取れそうかな」と見ながら進めることが大切です。

途中で嫌がる様子があれば、そこでやめて大丈夫です。

続けることより、赤ちゃんのサインに気づくことのほうが大切です。


強く押す必要はありません 赤ちゃんにはやさしい圧で十分です

赤ちゃんへのマッサージで、強い圧は必要ありません。

大人の肩こりをほぐすような感覚で押したり、筋肉を揉んだり、関節を動かしたりするものではありません。

赤ちゃんの体は、まだとても小さく、皮膚も薄く、関節や筋肉も発達途中です。特に新生児期は、刺激を強くしすぎないことが大切です。

赤ちゃんに触れるときは、皮膚をこするというより、手のひらで包む、ゆっくりなでる、支える、温かさを伝える、という感覚がよいと思います。

赤ちゃんの胸やお腹を強く押す必要はありません。
首を強く動かす必要もありません。
背骨を押し込む必要もありません。
関節を伸ばす必要もありません。

赤ちゃんの体を変えようとするのではなく、赤ちゃんの体が安心して受け取れるように触れる。

この意識が大切です。

もし赤ちゃんの反り返り、向きぐせ、体の硬さが気になる場合でも、無理にまっすぐにしたり、反対側へ強く向けたりすることは避けてください。

赤ちゃんの体には、赤ちゃんなりの理由があることがあります。気になる場合は、小児科や産院に相談したうえで、必要に応じて赤ちゃんの体を見られる専門家に相談するのが安心です。


タイミングは「お母さんがやれるとき」で大丈夫です

ベビーマッサージの情報では、「お風呂上がりに」「毎日同じ時間に」「寝る前に」と紹介されることがあります。

たしかに、赤ちゃんが落ち着いていて、お母さんにも余裕がある時間であれば、そうしたタイミングはよいかもしれません。

でも、現実の産後は、そんなに予定通りには進みません。

授乳で時間がずれる。
赤ちゃんが寝ない。
お母さんが眠い。
上の子のお世話がある。
お風呂上がりはバタバタする。
夜はお母さんの体力が残っていない。

このようなことは普通にあります。

だから、「毎日しなければ」と考えなくて大丈夫です。

赤ちゃんが落ち着いているとき。
お母さんの手が温かいとき。
お母さんの気持ちに少し余裕があるとき。
赤ちゃんが触れられることを受け入れていそうなとき。

そんな短い時間で十分です。

1分でも、30秒でも、背中に手を当てるだけでもよいのです。

赤ちゃんにとって大切なのは、長時間のマッサージではなく、安心して受け取れるふれあいです。


オイルやクリームは、慎重に考えてください

ベビーマッサージというと、オイルを使うイメージがあるかもしれません。

ただし、新生児の皮膚は大人よりも未熟です。皮膚のバリア機能も発達途中で、乾燥しやすかったり、刺激に反応しやすかったりします。

新生児の皮膚へのオイル使用については、研究によって結果が分かれており、どのオイルが最も安全で有効かについては、まだはっきりしない部分があります。

そのため、特に新生児期は、香りの強いもの、精油入りのもの、大人用のマッサージオイル、成分が複雑なものは避けたほうが無難です。

湿疹、赤み、ただれ、じゅくじゅく、皮膚トラブルがある場合は、自己判断でオイルやクリームを塗り込まず、小児科や皮膚科に相談してください。

マッサージは、オイルがなければできないものではありません。

手を温めて、服の上からやさしく触れる。
タオル越しに背中に手を当てる。
お腹ではなく足や背中を軽く包む。

このような形でも、赤ちゃんへのやさしい触覚入力になります。

大切なのは、オイルの種類ではなく、赤ちゃんの皮膚と反応を守ることです。


泣いている赤ちゃんに、無理にマッサージしなくて大丈夫です

赤ちゃんが泣いているとき、「マッサージで落ち着かせよう」と思うことがあるかもしれません。

でも、泣いている赤ちゃんに、いきなり全身を触る必要はありません。

泣いているときの赤ちゃんは、空腹、眠気、暑さ寒さ、お腹の張り、体調不良、刺激過多など、何かしらの不快を伝えていることがあります。その状態で触る刺激が増えると、かえって泣きが強くなる赤ちゃんもいます。

まずは、基本的なことを確認してください。

・授乳やミルクのタイミング
・オムツ
・暑さ寒さ
・服や布がきつくないか
・ゲップやお腹の張り
・眠さ
・音や光が強すぎないか
・顔色や呼吸
・発熱やぐったり感がないか

そのうえで、抱っこする、背中に手を当てる、胸に近づける、声をかける、部屋を少し静かにするなど、赤ちゃんが受け取りやすい刺激から始めるほうがよいことがあります。

泣いているときほど、何かしなければと焦ってしまいます。

でも、赤ちゃんにとっては、たくさんのことをされるより、落ち着いた手で支えられるほうが安心しやすいこともあります。


お母さんの手がこわばっているときは、先にお母さんの呼吸を整えましょう

赤ちゃんに触れるとき、お母さんの手の状態も大切です。

産後のお母さんは、疲労や寝不足、緊張で体がこわばりやすくなります。赤ちゃんが泣いているときは、肩に力が入り、呼吸が浅くなり、手の動きも急ぎがちになります。

これは、お母さんが悪いのではありません。体が必死に頑張っている反応です。

ただ、その状態で赤ちゃんに触れると、赤ちゃんにも緊張が伝わることがあります。

赤ちゃんに触れる前に、まずお母さんがゆっくり息を吐いてみてください。大きく吸おうとするより、長く吐くほうが、肩の力が少し抜けやすくなります。

手をこすって温める。
肩を一度下ろす。
赤ちゃんの顔を見る。
「今から触るよ」と小さく声をかける。
ゆっくり手を置く。

それだけでも、触れ方は変わります。

機能性医学的に見ると、お母さんの体も、睡眠、血糖、栄養、ホルモン、自律神経、ストレスの影響を受けています。お母さんの体が限界に近いと、やさしく触れようとしても、手に余裕が出にくくなります。

だから、赤ちゃんのためにも、お母さんの体を守ることが必要です。


赤ちゃんのケアは、お母さんの体のケアとセットです

赤ちゃんにやさしく触れることは大切です。

でも、産後のお母さんの体がつらいと、触れること自体が負担になります。

抱っこで肩が痛い。
授乳で首が固まる。
手首が痛くて赤ちゃんを支えるのが怖い。
腰が痛くて床から抱き上げるのがつらい。
寝不足で体力が戻らない。
赤ちゃんが泣くと、体が緊張してしまう。

このような状態で、「もっと赤ちゃんに触れましょう」と言われても、お母さんは苦しくなってしまいます。

赤ちゃんの安心を支えるためには、お母さんの体も支える必要があります。

神戸市北区のもみの木鍼灸整骨院では、産後のお母さんの肩こり、腰痛、手首の痛み、骨盤まわりの不調、抱っこ姿勢や授乳姿勢のつらさを丁寧に見ています。

当院では、女性施術者が対応しており、出産・育児経験もあるため、育児中の本音や不安も話していただきやすい環境を大切にしています。

また、片手間の産後ケアではなく、機能性医学、発達、神経系、自律神経の知識も常にアップデートしながら、お母さんと赤ちゃんの両方を支える視点を大切にしています。


まとめ マッサージより大切なのは、赤ちゃんの反応を見ながら触れることです

赤ちゃんへのやさしいマッサージは、親子のふれあいとして意味のある時間になることがあります。

ただし、医学的に見ると、健康な赤ちゃん全員に「必ず必要」と言えるほど、強い根拠があるわけではありません。

大切なのは、マッサージをするかしないかより、赤ちゃんの反応を見ながら、安心して受け取れるふれあいを積み重ねることです。

強く押さない。
無理に続けない。
嫌がったらやめる。
眠いときや授乳直後は避ける。
皮膚トラブルがあるときは医療機関に相談する。
お母さんの体がつらいときは、無理をしない。

赤ちゃんは、特別なことだけで育つわけではありません。

抱っこ、授乳、ミルク、オムツ替え、沐浴、着替え、寝かしつけ。その中のやさしい手、あたたかい声、安心できる支えが、赤ちゃんの脳と心に届いていきます。

神戸市北区、三田市周辺で、産後の肩こり、腰痛、手首の痛み、授乳姿勢や抱っこ姿勢のつらさ、赤ちゃんの反り返りや向きぐせが気になる方は、ひとりで抱え込まずにご相談ください。


参考文献

Massage for promoting mental and physical health in infants under the age of six months

Massage for promoting growth and development of premature and low birth-weight infants

Effect of whole-body massage on growth and neurodevelopment in term healthy newborns: A systematic review

The Role of Affectionate Caregiver Touch in Early Neurodevelopment and Parent–Infant Interactional Synchrony

Effects of Topical Oils on Neonatal Skin: A Systematic Review

The Benefits of Baby Massage


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