胸を張るという行為は「背筋を過剰に収縮させる」運動になります。もちろん、疲れます。ですから、猫背の人が(特に座位で)胸を張った姿勢を保とうとしても、1分も持ちません。というのも、良姿勢を維持するのは背筋ではないからです。
両肩を後に引く「猫背ベルト」という商品があります。このベルトで猫背が治ったという人を見たことがありません。これは身体のメカニズムを無視したやり方です。膝の裏が伸びないと猫背が改善しないことはご存じですか? やたらと胸を張るのは全くの間違いです。そんなことをしたら、背骨の歪みにつながります。
背筋を伸ばすとき「背筋」に力を入れます。すると、一時的には背筋は伸びます。ですが、良い姿勢を維持するのは背筋が主ではないからです。いくら背筋を鍛えたところで、力が抜けて「猫背」へ逆戻りです。
筋肉にはアウターとインナーという分類があります。また、「力は強いが疲れやすい筋肉」と「力は弱いが疲れにくい筋肉」があります。この二つの分類では、「インナーにある疲れにくい筋肉」をうまく利用して、良い姿勢を保つ筋肉を鍛えなければいけません。ところが、ご自身で筋トレをすると、どうしても「アウターにある疲れやすい筋肉」を鍛えてしまうのです。
頭が前方に出ることにより、僧帽筋、肩甲挙筋に負担がかかります。常に緊張を強いられて、そのせいでコリが発生します。もし肩のマッサージをして「気持ちいい」とお感じなら、あなたのこりは不良姿勢(猫背)から起こっているのかもしれません。
緊張性頭痛という頭痛をご存じでしょうか? これは首の筋肉がこって起こる頭痛です。猫背で後頭部の下にある後頭下筋群が過緊張になり、頭痛を引き起こします。後頭部、髪の生え際より少し上を「ぐっ」と押して、痛かったり気持ちよかったりすると、頭痛の原因かもしれません。
めまいは内耳の前庭機能の機能障害で起こると言われています。しかし、頚部筋と前庭、小脳などは連携を取って、情報のやりとりをして私たちの目の前に映る像を作り出してくれています。
ところが、頚部筋からの情報が猫背により正確に前庭や小脳へ送られないことがあります。そうすると、ふわふわした感じが起こりやすくなります。
頭部が前方へ偏位することにより、首のつけ根にある「腕神経叢」が圧迫されることがあります。すると、腕に伸びていく神経線維に異常が起こり、手や腕のしびれ、また肩甲骨付近の痛みが起こることになります。
頭が前方へ移動することで、僧帽筋、胸鎖乳突筋などが過緊張となります。すると、三叉神経(顔面や歯の知覚神経)を刺激して、痛みを感じることがあります。この場合、歯科へ行っても悪いところは見つかりません。
頸部の筋肉は側頭骨へと付着します。側頭骨の中に耳があります。めまいと同様、音を感知する神経のリンパ還流に影響を及ぼし、実際には鳴っていない音が鳴るということになるのです。耳で鳴っていると感じると「耳鳴り」、頭から音がすると感じると「頭鳴り」と呼びます。聞こえずらさ「難聴」、こもった感じや響く感じは「耳管開放症」と呼ばれます。
いずれにせよ、発症から早めに治療すれば良くなりますが、何年も、何十年も放置すると改善する可能性が低くなります。
頭と頸の接合部には延髄があります。ここから胃腸をコントロールする自律神経が出てきます。この自律神経の出口が前方頭位によって、刺激されていると胃腸の機能低下が生じます。
内科で処方された薬を飲んでいるのにスッキリしないという方は、首に原因があるかもしれませんよ。
猫背になると、首の自律神経が刺激されます。すると、交感神経が亢進して眠れないという状態に陥ることがあります。
脊髄の脳幹のひとつ、延髄を前方頭位で圧迫していると、自律神経に乱れが出てきます。特に脳神経Ⅹの迷走神経を刺激し続けると、身体にさまざまな不調が出てきます。
猫背の姿勢を取っていると、脳への血流が低下します。すると、酸素不足に弱い目に自覚症状が出やすくなります。
また、あごを動かす筋肉は首と連携を取っています。もともとちゃんとした頭の位置で働けるよう設計された筋肉なので、猫背により頭が前にあると筋肉が正しく働けなくなり、あごを間違ったように動かすことになります。この状態が長く続くと「顎関節症」になることがあります。
猫背姿勢は高齢者の象徴であったりします。また、何か卑屈で自信がないといった印象を相手に与えます。面接などを受けるときは正しい姿勢で受けたいものです。こういったNon-Verbalコミュニケーションはあなたの人生に大きな影響を与えます。
首や肩の不快感、脳への血流の低下など、猫背はさまざまな影響を及ぼします。その結果、勉強や仕事に集中がしずらくなり、学業成績が下がったり、仕事で結果を出しづらくなったりします。
いろんなことをしてきて、まだ改善しない!という方はなぜだか分かりますか?
あなたの脳のシステムが「猫背姿勢」を維持するようにプログラムされてしまっていたら、それは何をしても無理です。
まずは脳プログラムを書き替えないと、猫背改善の努力は全て無駄になります。
当院はまず「姿勢脳」の賦活を行い、あなたの身体を改善します。
猫背姿勢が長く、改善が容易ではない場合、関節の動きがとても悪くなっている箇所があります。それは背骨だけではありません。足首の関節にまで及ぶのです。
それらの1つ1つを動きが改善するように丁寧に調節します。
猫背では過剰に働く筋肉、弱っている筋肉のアンバランスが大きく出ます。そこで筋肉トレーニングとなるわけですが、たいていはうまくいきません。これは筋肉の優位性によるものです。
たとえば、二人が同じように山登りをしたとします。下山した翌日、一人は太ももの前側に筋肉痛を訴えます。ところが、もう一人は太ももの裏側に筋肉痛を訴えるのです。
この例が示すのは、同じような動きでも、一人ひとり使う筋肉の差があったり、もともと強さが違ったりします。
ですから、一律に「猫背にはこの筋肉」というものではないのです。これがジムなどで筋トレをしたところでうまくいかない理由です。
当院では一人ひとり、弱化している猫背を引き起こす筋肉だけを鍛えることができます。
猫背が改善しても維持ができるかどうかは、日頃のお手入れにかかっています。この日頃のお手入れが適当だと、一旦改善した姿勢がまた猫背に戻りかねません。
当院では確実に維持できるセルフケアをご提案します。
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